古いマンションを売る前に、リフォームは必要か。直す・直さないの考え方

築30年、40年と経ったマンションを売ろうとすると、壁紙の黄ばみや古いキッチン、和室の畳が気になってきます。「このままでは売れないのでは」「リフォームしてからのほうが高く売れるのでは」と考える方は少なくありません。

当社は中古マンションを買い取り、リノベーションして販売しています。直す側の立場から、売る前にお金をかけて直すべきかどうかを、どう考えればよいかをお話しします。

家具のない明るい空室のリビング
写真はイメージです
この記事でわかること
  • リフォーム費用がそのまま売却価格に乗るとは限らない理由
  • 工事より先にしておきたい、売る前の手入れ
  • 買取と仲介で、直す範囲の考え方がどう違うか
目次

リフォーム費用は、そのまま価格に乗るとは限らない

たとえば数百万円をかけて内装を新しくしても、売り出し価格をその分だけ上げられるとは限りません。理由の一つは、中古マンションを探している方の中に「安く買って、自分の好みに直したい」と考える人が多いことです。せっかく替えた床や壁紙が買主の好みに合わなければ、買主にとっては価値が上がったことになりません。

もう一つは時間です。工事の間は売り出せませんが、管理費・修繕積立金、固定資産税、住宅ローンが残っていればその返済は毎月かかり続けます。工事費と、その間にかかるお金の両方を売却価格で取り戻せるかどうか、という目で考える必要があります。

リフォームしてから売る場合と、そのまま売る場合の比較。直してから売る場合は、業者選び・見積もり、工事中の期間を経てから売り出すため、工事費と工事中の管理費・修繕積立金・ローン返済が先にかかる。そのまま売る場合は、掃除や小さな手入れのあとすぐ売り出せるが、不具合を含めた今の状態を買主に正しく伝える必要がある

工事より先にしておきたい、売る前の手入れ

大きな工事をしなくても、内覧のときの印象は手入れで変わります。買主は「この部屋は大切に使われてきたか」を見ています。費用をあまりかけずにできることから始めてください。

  • キッチン・浴室・洗面・トイレの水回りを掃除する(汚れが強ければハウスクリーニングも)
  • 窓を開けて換気し、においや湿気がこもらないようにする
  • 切れた電球、外れた網戸、がたつくドアノブなど、小さな不具合を直す
  • 荷物を減らし、床と窓まわりを見えるようにする
  • 給湯器や水回りの設備を交換した時期が分かれば、メモにまとめておく

最後の「交換した時期のメモ」は意外と大切です。古いマンションを検討する買主は、見えない設備がいつ替えられたかを気にします。分かる範囲で答えられるだけで、安心して検討してもらいやすくなります。

直すか、伝えるか。項目ごとの目安

壊れているところや古いところを全部直す必要はありません。ただ、「直さないなら、きちんと伝える」ことが前提です。売ったあとに伝えていなかった不具合が見つかると、契約不適合責任(契約の内容と違う点について売主が負う責任)を問われることがあります。

気になるところ考え方の目安
壁紙・床の汚れや古さそのままが基本。掃除で落ちる汚れは落としておく
キッチン・浴室の古さ買主が自分で選びたいことが多い。交換は費用と期間をよく比べてから
給湯器など設備の故障生活に必要な設備なので、修理するか、故障していることをはっきり伝える
水漏れの跡・カビ原因が分かっていれば伝える。下の階に関わることもあるので、管理会社に履歴を確かめる
和室・間取りの古さそのまま。間取りを変える工事は、売主がするより買主に任せた方がよいことが多い

価格に響きやすいのは、室内より建物の条件

古いマンションの売却価格に大きく影響するのは、実は室内よりも、売主ひとりでは変えられない建物の条件です。管理の状態や修繕積立金の残高、共用の配管がいつ更新されたか、そして耐震基準です。

1981年6月より前に建築確認を受けた「旧耐震」のマンションは、買主の住宅ローンの審査や、住宅ローン控除などの税金の優遇で不利になることがあります。住宅ローン控除では、登記簿上の建築日が1982年以降かどうかで扱いが分かれます(2026年10月時点)。こうした条件は、室内をリフォームしても変わりません。旧耐震のマンションについては、こちらの記事で説明しています。

買取と仲介で、直す範囲は変わる

売り方によって売る前に手を入れる範囲が変わることを示した図。仲介で個人の買主に売る場合は内覧の印象が大切で、水回りの掃除や換気、壊れた設備を直すか伝えるかの判断、荷物を減らすことが中心。内装を大きく替える工事は費用と期間をよく比べてから。買取で不動産会社に売る場合は会社が直す前提で価格を出すため、売主が工事をする必要はなく、直してもその分が買取価格に上乗せされるとは限らない

仲介で個人の方に売る場合は、内覧の印象が売れ行きに関わります。先ほどの手入れをしたうえで、反応を見ながら価格や売り方を考えるのが現実的です。時間に余裕があり、相場に近い価格で売りたい方に向いています。

買取の場合、当社のような買取再販の会社は、自社で工事をする前提で価格を出します。売主さんが先に直しても、会社の工事計画と合わなければ、その分は価格に反映されにくいのが正直なところです。買取価格は仲介で売れる見込みの価格より低くなるのが一般的ですが、工事や片付けをせずに売れること、売ったあとの不具合の責任を免責にする条件で契約することが多いことは、古いマンションでは大きな違いになります。

どちらが向いているかは、お部屋の状態や売りたい時期によって変わります。迷ったら、リフォームの見積もりを取る前に、まず今の状態のままで査定を受けてみてください。直した場合と直さない場合を比べる材料になります。

古いマンションの売却のご相談

当社では、仲介で売る場合の見込みと、買取の場合の価格を両方お伝えしています。買取の場合は、荷物が残っていても、不具合を分かる範囲で伝えていただければ、その状態で価格をお出しします。葛飾区・江戸川区を中心に、東京23区のマンションに対応しています。

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