空き家を持ち続けるとかかる費用。固定資産税だけではありません

親が施設に入った、相続したけれど誰も住む予定がない。そんな実家を「いつか考えよう」とそのままにしている方は少なくありません。

ただ、空き家は住んでいなくても毎年お金がかかり、建物も少しずつ傷んでいきます。この記事では、空き家を持ち続けるとかかる費用と、管理が行き届かないときに起きること、売ると決めたときの選択肢をお話しします。

古い木造住宅の縁側と、手入れの必要な庭
写真はイメージです
この記事でわかること
  • 空き家に毎年かかる費用と、管理のための費用
  • 管理が行き届かないと固定資産税が上がることがある理由
  • 持ち続ける場合・売る場合に考えておきたいこと
目次

住んでいなくても、毎年お金がかかります

空き家の費用というと固定資産税を思い浮かべる方が多いのですが、実際にはそれだけではありません。大きく分けると、毎年決まってかかる費用、管理のための費用、傷んだときの修繕費用の3つがあります。

空き家を持ち続けるとかかる費用の一覧。毎年かかるものは固定資産税・都市計画税、火災保険などの保険料、電気・水道の基本料金、マンションの管理費等。管理にかかるものは交通費、草木の手入れ、換気や掃除、管理を頼むときの費用。傷んだときにかかるものは雨漏りや外壁の修繕、台風のあとの補修、塀や瓦の落下への対策、近所への損害の賠償

固定資産税・都市計画税は、毎年1月1日時点の所有者にかかる税金です。東京23区では、固定資産税が評価額をもとにした課税標準の1.4%、都市計画税が0.3%です(2026年10月時点)。

火災保険も見落としがちです。人が住んでいない家は、住んでいる家と同じ契約では入れないことがあります。相続したまま親の名義の保険が続いている場合は、契約内容が今の状況に合っているか、保険会社に確認しておくと安心です。

お金以外の負担もあります。遠方に住んでいると、換気や草むしりのために通うだけで休日がつぶれます。夏の雑草や秋の落ち葉は、放っておくと近所からの苦情につながりやすいところです。

管理が行き届かないと、固定資産税が上がることがある

家が建っている土地は「住宅用地の特例」で固定資産税が軽くなっています。課税標準(税額を計算するもとになる金額)が、200㎡までの部分なら評価額の6分の1になる仕組みです。

住宅用地の特例の表。住宅1戸あたり200平方メートルまでの小規模住宅用地は固定資産税の課税標準が6分の1、都市計画税が3分の1。200平方メートルを超える部分は固定資産税が3分の1、都市計画税が3分の2。空き家の管理について勧告を受けると、この軽減の対象から外れる

この軽減は、空き家であってもすぐになくなるわけではありません。ただし、2023年12月に施行された改正空家等対策特別措置法で、倒壊のおそれがある「特定空家等」だけでなく、このままでは特定空家等になりそうな「管理不全空家等」も、市区町村の指導や勧告の対象になりました。

管理が行き届かない空き家の扱いの流れ。放置されて草木が伸び屋根や窓が傷む、市区町村が管理不全空家等や特定空家等と判断する、助言・指導、改善されなければ勧告、勧告を受けると住宅用地の特例の対象外になり土地の固定資産税などが上がる。特定空家等は命令や行政代執行に進むことがある

勧告を受けると住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税・都市計画税が上がります。いきなり勧告されるわけではなく、その前に助言や指導がありますので、市区町村から連絡が来たら早めに対応してください。

持ち続けるなら、最低限やっておきたいこと

思い出のある家なので、すぐに手放すと決められないのは自然なことです。しばらく持ち続けるなら、次のことは続けておくと、建物の傷みとご近所とのトラブルを抑えられます。

  • 月に1回程度は窓を開けて換気し、水道の蛇口から水を流す
  • 雨漏りのしみ、外壁のひび、塀の傾きがないかを見る
  • 草木が道路や隣の敷地にはみ出していないか確認する
  • 郵便受けにチラシをためない(空き家だと分かりやすくなる)
  • ご近所に連絡先を伝えておく
  • 火災保険の契約内容を今の使い方に合わせる

これを何年も続けられるかどうかが、持ち続けるか売るかを考える一つの目安になります。きょうだいで相続した場合は、誰が管理し、費用をどう分けるかも早めに話しておくと、後でもめにくくなります。

売ると決めたときの選択肢

空き家を売る方法は、家の状態や急ぎ具合によって向き不向きがあります。

売り方向いているケース気をつけること
そのまま仲介で売る建物の状態が比較的よい、売れるまで待てる売れるまでの間も管理と費用が続く。荷物の片付けは基本的に売主側
解体して土地として売る建物が古く、土地として探す人が多い場所解体費用が先にかかる。翌年1月1日に家がないと住宅用地の特例がなくなる
不動産会社の買取傷みが大きい、荷物が多い、早く手放したい仲介で売れる価格より低くなることが多い

相続した空き家には、一定の条件を満たすと売却益から最大3,000万円を差し引ける特例(被相続人居住用財産の譲渡所得の特別控除)があります。1981年5月31日以前に建てられた家が対象で、相続から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売るなどの期限があり、特例自体も2027年12月31日までの売却が対象です(2026年10月時点)。使えるかどうかは個別に変わるため、税理士や税務署に確認してください。

仲介と買取の違いは、こちらの記事でくわしく説明しています。

空き家の売却・買取のご相談

「まだ売ると決めていない」という段階でもかまいません。今売るといくらくらいになりそうか、持ち続けると何が必要かを並べてみると、考えやすくなります。当社は買取と仲介の両方を扱っていますので、どちらが合うかも含めてお話しします。荷物が残ったままの家、長く空いていた家のご相談もお受けしています。

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