中古戸建てを買う前に確認したい、建物のチェックポイント

中古の戸建てを探していると、「築年数のわりにきれい」「リフォーム済みで安心そう」という物件に出会うことがあります。ただ、見た目がきれいでも、床下や屋根裏の状態までは分かりません。

当社は古い戸建てを買い取って直し、販売しています。仕入れのときに見ているのは、壁紙や設備よりも、建物の骨組みと水の入り口です。この記事では、初めて中古戸建てを買う方に向けて、買う前に確かめたい建物のポイントをお話しします。

古い住宅の床下を懐中電灯で照らして点検している職人
写真はイメージです
この記事でわかること
  • 建てた時期で変わる耐震の基準と、書類で確かめること
  • 内覧のときに見てほしい場所
  • 建物状況調査(インスペクション)の使い方と、直す費用を含めた予算の考え方
目次

中古戸建ては一軒ごとに状態が違う

マンションは管理組合が修繕積立金を集めて、外壁や屋上を計画的に直します。戸建てにはその仕組みがなく、手入れをするかどうかは持ち主しだいです。同じ築30年でも、10年ごとに外壁と屋根を塗り直してきた家と、一度も手を入れていない家では、中身がまったく違います。

そのため中古戸建ては、築年数や価格だけで比べると判断を誤りやすくなります。「いつ建てたか」「どう手入れされてきたか」「今どんな状態か」を順に確かめていくのが近道です。

建てた時期と書類で確かめること

最初に見てほしいのが建てた時期です。建築基準法の耐震の基準は、1981年と2000年に大きく変わりました。木造の戸建てでは、2000年の改正で柱と土台をつなぐ金物や、壁の配置のバランスなどの決まりが明確になっています(2026年10月時点)。

建てた時期と木造戸建ての耐震の基準。1981年5月までは旧耐震基準で、耐震診断や補強をしたかを確認したい。1981年6月から2000年5月は新耐震基準で、壁の量の基準は強化されたが、金物や壁の配置のバランスは今ほど細かく決まっていない。2000年6月からは接合部の金物、壁の配置のバランス、地盤に応じた基礎などが明確になった。時期は建築確認を受けた日で判断する

建てた時期は、住宅ローン控除にも関わります。登記簿上の建築日付が1982年1月1日以降の家は新耐震基準に適合しているとみなされますが、それより前の家で控除を受けるには、耐震基準適合証明書などが必要です(2026年10月時点)。書類は、仲介の不動産会社を通して売主さんに次のものがあるか聞いてみてください。

書類見るポイント
確認済証・検査済証建築確認を受けた日付。検査済証があれば、完成時に検査を受けている
設計図面今の間取りと同じか。図面にない増築がないか
リフォーム・修繕の記録外壁や屋根の塗装、給湯器や配管の交換をいつしたか
シロアリ防除の記録最後に薬剤をまいた時期。効果は一般に5年程度とされる
耐震診断・補強の記録旧耐震の家の場合、診断や補強をしたかどうか

古い戸建てでは検査済証がないことも珍しくありません。それだけで買えないわけではありませんが、図面と今の建物が違う場合は、金融機関の審査や将来のリフォームで話がややこしくなることがあります。

内覧で見てほしい場所

内覧では、つい間取りや日当たりに目が行きます。建物の状態を見るときは、外回り、室内、床下・屋根裏の順に、水と傾きの跡を探すつもりで見てください。

中古戸建ての内覧で見てほしい場所。外回りは基礎のひび割れ、外壁のひびや反り、屋根や雨どいの傷み、建物のまわりの水はけ。室内は天井や壁の雨じみ、床の傾きや沈み、建具の開け閉め、水回りの床のふかふか。床下・屋根裏は土台や柱の腐れや湿気、シロアリの跡、配管からの水漏れ、屋根裏の雨漏りの跡

特に気をつけたいのは雨漏りとシロアリです。どちらも見えないところで進み、見つかったときには土台や柱まで傷んでいることがあります。押し入れの天井のしみや、洗面所・浴室まわりの床が沈む感じは、見落とさないようにしてください。

  • 床下点検口(キッチンの床下収納など)と、屋根裏の点検口の場所を聞く
  • すべての窓と扉を開け閉めしてみる
  • 雨の日やその翌日に、もう一度見に行けないか相談する
  • 売主さんが知っている不具合や、過去の修理を聞いておく

自分で分からないところは建物状況調査で

内覧で見られる範囲には限りがあります。そこで使えるのが「建物状況調査(インスペクション)」です。講習を受けた建築士が、基礎や外壁のひび割れ、雨漏りの跡などを目で見たり計測したりして調べます。売主さんの家を調べるので、承諾を得たうえで、購入の申込みから契約までの間に行うのが一般的です。

建物状況調査を入れるタイミング。内覧で外回りと室内を自分の目で見て、購入の申込みのあと、売主の承諾を得て講習を受けた建築士が数時間程度かけて調べ、重要事項説明で調査の有無や結果の説明を受け、売買契約、決済・引渡しへと進む

2018年4月から、仲介の不動産会社は、建物状況調査をする会社をあっせんできるかどうかを示し、重要事項説明では過去1年以内に行われた調査の有無と結果を説明することになっています(2026年10月時点)。売主さんがすでに調査をしていれば、その結果を見せてもらいましょう。

検査に合格した家なら、「既存住宅売買瑕疵保険」に入れる場合があります。引渡し後に、構造上大事な部分や雨水の入りやすい部分に不具合が見つかったとき、補修の費用を保険でまかなえる仕組みです。対象や保険期間は保険の種類によって違うので、契約前に確認してください。

直す費用まで含めて予算を考える

中古戸建ては、物件価格が手ごろでも、外壁・屋根の塗装や給湯器、水回りの交換などが近いうちに必要になることがあります。住み始めてから慌てないよう、見つかった不具合と、10年以内に手を入れそうな場所をリフォーム会社に見積もってもらい、購入時の予算に含めて考えてください。

なお、2025年4月の建築基準法改正で、木造2階建ての戸建てでも、主要な構造の半分を超えるような大がかりな改修には建築確認が必要になりました(2026年10月時点)。間取りを大きく変えるリノベーションを考えている方は、工事の範囲と手続きも含めて相談しておくと安心です。購入時にかかる税金や手数料については、こちらの記事でまとめています。

中古戸建て選びのご相談

気になる中古戸建てがあれば、建物の気になる点を、自社で古い家を直している立場から率直にお伝えします。耐震や住宅ローン控除の条件、リフォームの費用の考え方もあわせてご相談ください。葛飾区・江戸川区を中心に、東京23区の物件に対応しています。

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