築40年を超えた戸建て、解体してから売るか、そのまま売るか

親から受け継いだ家や、長く住んできた家が築40年を超えてくると、「こんなに古い家では買い手がつかないのでは」「先に壊して更地にした方が売りやすいのでは」と考える方が多くなります。

ただ、解体は一度してしまうと元に戻せません。土地によっては、壊したことで損をすることもあります。この記事では、古い戸建てを売るときに「解体してから売る」か「そのまま売る」かを決めるための考え方をお話しします。

雨戸が閉まったままの古い木造2階建ての住宅とブロック塀
写真はイメージです
この記事でわかること
  • 「そのまま売る」と「解体して売る」の進め方の違い
  • 解体の時期で土地の固定資産税が変わる理由
  • 解体を決める前に確かめておきたいこと
目次

2つの売り方は、費用の負担と期間が違う

古い家を建物があるまま売る場合、広告では「古家付き土地」や「中古戸建て」として出します。買った人が直して住むか、壊して建て替えるかを決めるので、売主さんが工事をする必要はありません。

一方、解体してから売る場合は、売り出す前に売主さんが解体会社に頼み、費用を払います。工事のあとには、建物がなくなったことを登記する「滅失登記」も必要です。

古い戸建てを売るときの2つの進め方。そのまま売る場合は、建物が建ったまま売り出し、買主が決まって引渡し、解体する場合は買主が行う。解体してから売る場合は、見積もりとアスベストの調査、売主の費用で解体工事、解体後1か月以内に滅失登記、土地として売り出し、引渡しの順。違いは解体の費用を誰が負担するかと、売り出すまでの期間

解体の費用は、建物の大きさや構造のほか、前の道路にトラックが入れるか、塀や庭木の量などで大きく変わります。解体の前にはアスベスト(石綿)の事前調査が義務になっていて、古い建物で使われていれば除去の費用も加わります。見積もりを取ってみないと分からない部分が多い費用です。

そのまま売るほうが向いていることも多い

「古い家は壊さないと売れない」と思われがちですが、そうとは限りません。古い家を直して住みたい方もいますし、建て替える予定の方も、今の家があれば日当たりや周りの様子を想像しやすくなります。

何より、売れる前に解体費用という大きなお金を出さずに済みます。

建物があるまま個人の方に売るときは、雨漏りやシロアリなどの不具合について、売ったあとに責任を負うかどうか(契約不適合責任)を契約で決めます。古い家では、建物について責任を負わない約束にすることもよくあります。分かっている不具合は、契約の前に正直に伝えておくことが大切です。

解体するなら、時期と土地の条件に気をつける

更地のほうが土地の広さや形が分かりやすく、すぐに家を建てたい方には選ばれやすくなります。ただし、解体には注意したい点が2つあります。

1つ目は固定資産税です。家が建っている土地は「住宅用地の特例」で税金が軽くなっていますが、この特例は毎年1月1日の状況で決まります。年内に解体して1月1日に更地になっていると、その年度の土地の固定資産税・都市計画税は特例がない分だけ高くなります(2026年10月時点)。

土地の固定資産税は1月1日に家が建っているかで決まることを示した図。11月など年内に解体すると、1月1日に家がないため、その年度は住宅用地の特例がなくなる。2月など年明けに解体すると、1月1日には家があるため、その年度は特例が使える

年明けに売れる見込みなら、解体を1月1日のあとにずらす、売買契約を結んでから引渡しまでに解体する、といった段取りで負担を抑えられることがあります。特例の仕組みは、こちらの記事でも説明しています。

2つ目は、壊したあとに同じような家を建てられるかどうかです。建築基準法の道路に2m以上接していない土地は「再建築不可」といって、更地にすると新しい家を建てられません。この場合は、建物を残したまま売るほうが買い手の選択肢が広がります。前の道路が狭く、建て替えで敷地を下げるセットバックが必要な土地も、建てられる家が小さくなるので先に確認しておきたいところです。

解体を決める前に確かめておきたいこと

  • 更地にしても建て替えができる土地か(道路との接し方、セットバックの有無)
  • 解体の見積もりを取ったか(アスベストの調査、塀や庭木の撤去を含めて)
  • 解体する時期と1月1日の関係
  • 隣地との境界がはっきりしているか
  • 家の中の荷物を片付ける段取りと費用
  • 相続した家なら、税金の特例の条件に解体が関係しないか

相続した空き家を売るときの3,000万円の特別控除は、古い家を耐震改修するか解体することが条件の一つです。2024年1月以降の売却からは、売った翌年の2月15日までに買主が解体した場合も対象になりました(2026年10月時点)。条件は細かいので、税理士や税務署に確認してから進めてください。

また、区によっては古い木造住宅の解体費用を一部助成する制度があります。多くは工事前の申し込みが必要なので、先に区の窓口で確かめてください。

迷ったときの考え方

大まかな目安は次のとおりです。

状況考え方
再建築不可、またはその可能性がある解体せずに売る方向で検討する
建物がまだ使える、直して住む人が見込めるそのまま売り出して反応を見る
傷みが大きく、倒壊や近所への被害が心配解体や、買取での売却を検討する
新築用地を探す人が多い場所で、解体費用を先に出せる解体してから売ることも選択肢になる
荷物が多い、早く手放したい不動産会社の買取を比べてみる

買取の場合は、解体するか直して使うかを買い取る側が判断し、その費用も見込んだうえで価格を出します。売主さんは解体の手配をせずに済みますが、仲介で個人の方に売れる価格よりは低くなるのが一般的です。急ぐ理由がなければ、まずは仲介と買取の両方の見込みを並べてから決めても遅くはありません。

古い戸建ての売却のご相談

当社は古い家を買い取って、直して販売したり、建て替え用の土地として販売したりしています。解体するかどうか決めていない段階でも、建物があるままの価格の見込みをお出しします。荷物が残っている家のご相談もお受けしています。葛飾区・江戸川区を中心に、東京23区の戸建て・土地に対応しています。

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