ハザードマップの見方。東京の東側で家を買うなら知っておきたいこと

葛飾区や江戸川区で家を探していると、区のハザードマップに色が付いている場所が多いことに気づくと思います。「この辺りで家を買って大丈夫なのか」「色が付いていない物件だけを選ぶべきか」と迷う方もいらっしゃいます。

東京の東側は川と海に囲まれた低い土地が広く、マップに色が付かない場所を探すと、選べる物件はかなり少なくなります。大切なのは、色の有無だけで決めずに、何を読み取ればいいかを知っておくことです。この記事では、これから家を買う方に向けて、ハザードマップの見方と、建物で確かめたいことをお話しします。

家族で非常持出袋の中身を確認している様子
写真はイメージです
この記事でわかること
  • ハザードマップの種類と、それぞれで分かること
  • 色だけでなく「深さ・続く時間・避難先」を見る理由
  • リスクのある場所で買うときに、建物で確かめること
目次

ハザードマップは1枚ではありません

「ハザードマップ」とひとくちに言っても、想定している災害ごとに別の地図があります。水害だけでも、川があふれる「洪水」、下水道や水路が雨をはけきれずにあふれる「内水(ないすい)」、台風で海面が上がる「高潮」の3つに分かれます。

ハザードマップの種類。洪水は川があふれたときの浸水、内水は下水や水路があふれる場所、高潮は海面が上がって水が入る範囲、地震は建物の倒れやすさや火災の広がりやすさを示す

洪水のマップで色が付いていなくても、内水のマップでは色が付いている、ということはよくあります。川から離れた場所でも、周りより少し低い土地や、道路の水が集まりやすい場所では、強い雨のときに水があふれることがあるからです。家を探すときは、少なくとも洪水・内水・高潮の3つを見てください。地震については、東京都が建物の倒れやすさや火災の危険を町丁目ごとに調べて公表しています。

色だけでなく、深さ・続く時間・避難先を見る

マップを開くと、まず色の濃さに目が行きます。ただ、家を選ぶうえで本当に知りたいのは「もしものとき、その家でどう過ごすことになるか」です。そのため、次の順番で読んでいくと整理しやすくなります。

ハザードマップを見る順番。1、物件の場所を探す。2、浸水の深さを見る。3、浸水が続く時間を見る。4、避難場所と道のりを見る。5、建物の階数や床の高さ、電気設備の位置で備えられるかを考える

深さは、家のどこまで水が来るかに置きかえると分かりやすくなります。0.5m未満なら床下くらいですが、3mを超えると2階の床より上まで届く目安です。2階建ての家なら、深さによっては2階に逃げても安全とは言えません。

浸水の深さの目安。0.5m未満は1階の床下あたり、0.5から3mは1階が浸かる、3から5mは2階の軒下あたりまで、5から10mは3階以上まで、10m以上は中高層の建物の4階以上まで

もうひとつ見落としがちなのが、水が引くまでの時間(浸水継続時間)です。数時間で引く場所と、何日も水が残る場所とでは、備え方がまったく違います。水が長く引かない場所では、家にとどまるより、早めに離れた場所へ避難することが前提になります。

東京の東側で知っておきたいこと

墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区の5区(江東5区)は、2018年8月に共同で「江東5区大規模水害ハザードマップ」を公表しました。荒川と江戸川が想定される最大規模の雨であふれた場合などを示したもので、浸水の可能性がある区域には約250万人が住んでいるとされています。多くの地域で浸水が長く続く想定のため、区の外へ避難する「広域避難」の考え方が示されているのが特徴です。

江戸川区では、陸域のおよそ7割が満潮時の海面より低い「ゼロメートル地帯」です。こうした地域では、堤防や水門、排水のポンプ場などで日ごろの安全が保たれています。マップに示されているのは、それでも防ぎきれないほどの大雨や高潮が起きた場合の想定です。

マップの色が濃い場所に住んでいる方は、区内にもたくさんいらっしゃいます。リスクがあることを知ったうえで、避難の段取りと建物の選び方で備える、というのが現実的な考え方だと思います。

江戸川区の住宅地の特徴については、こちらの記事でも触れています。

リスクのある場所で買うなら、建物で確かめること

同じ場所でも、建物によって水への強さは変わります。当社が中古の家を仕入れるときにも、マップの想定と合わせて建物そのものを見ています。内覧のときに次の点を確かめてみてください。

  • 1階の床が道路からどれくらい高いか(基礎の高さ・玄関の段差)
  • 想定される深さより上の階に、寝室や過ごせる部屋があるか
  • 分電盤や給湯器、エアコンの室外機が低い位置に集まっていないか
  • マンションなら、電気室や受水槽のポンプが地下や1階にないか
  • 過去に浸水したことがあるか(売主さんへの質問、物件状況報告書)
  • 避難場所までの道のりに、低い道路やアンダーパスがないか

マンションの高い階は水が届きにくい一方で、電気設備が浸かると停電でエレベーターや給水ポンプが止まることがあります。部屋の高さだけで安心せず、建物全体の設備の位置まで見ておくと安心です。

契約のときの説明と、火災保険

2020年8月から、不動産会社は売買の契約前に行う重要事項説明(物件や取引条件についての法律で決められた説明)で、区の水害ハザードマップ上の物件の位置を示すことが義務になりました(2026年10月時点)。ただ、説明を受けるのは契約の直前です。気になる物件が見つかった段階で、自分でもマップを開いておくことをおすすめします。

いつ確認すること
物件を探し始めたとき区のハザードマップ(洪水・内水・高潮)で、候補のエリアの色と深さを見る
内覧のとき床の高さ、設備の位置、避難場所までの道のり
申込みの前後過去の浸水の有無を売主さんに確認する。火災保険の見積もりを取る
契約前(重要事項説明)マップ上の位置と避難場所の説明を受け、疑問を残さない

火災保険の水災補償は、2024年10月ごろから多くの保険会社で、市区町村ごとの水害リスクに応じて保険料が変わる仕組みになっています(2026年10月時点)。水災補償を付けるかどうか、保険料がどれくらいになるかは、住宅ローンの返済と合わせて毎年の負担になります。購入の資金計画を立てるときに、保険の見積もりも早めに取っておくと安心です。具体的な補償内容は、保険会社や代理店に確認してください。

家探しのご相談

当社では購入のご相談の際に、候補の物件についてハザードマップを一緒に確認し、建物の床の高さや設備の位置もお伝えしています。葛飾区・江戸川区を中心に、東京23区の戸建て・マンションのご相談に対応しています。

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