リノベーション済みのマンションは、内覧したときの第一印象がとても良いものです。床も壁も新しく、キッチンや浴室もそのまま使えます。ただ、きれいな内装の奥にある部分は、見ただけでは分かりません。
当社は中古マンションを買い取り、リノベーションして販売しています。直す側として「ここは内覧で確かめてほしい」と考えている場所を、これから購入を考えている方に向けてお話しします。

- リノベーション済みの部屋で見落としやすい場所
- 内覧で見る順番と、その場で確かめられること
- 工事の範囲や保証を資料で確かめる方法
「リノベーション済み」の中身は物件ごとに違う
「リノベーション」には、法律で決まった定義がありません。壁紙と床を張り替えて設備を交換しただけの部屋も、壁を取り払って配管まで新しくした部屋も、同じように「リノベーション済み」と紹介されることがあります。
どちらが良い悪いではありません。工事の範囲が狭ければ、その分価格が抑えられていることもあります。大切なのは、どこまで工事をしたのかを知ったうえで、価格と比べて判断することです。
内装より先に気にしてほしい「見えにくい所」

一番気にしてほしいのは配管です。築年数の古いマンションでは、床や壁の中の給水管・給湯管・排水管が建てたときのままのことがあります。内装を新しくしても配管を替えていなければ、数年後に水漏れが起きて、せっかくの床や下の階の天井を傷めることもあります。
床も見た目だけでは分かりません。マンションの多くは管理規約で床材の遮音の性能を決めています。規約どおりの工事かどうかは、住み始めてからの下の階との関係にもつながります。
内覧で見る順番と、その場で確かめられること

部屋に入ると、どうしても新しいキッチンや広いリビングに目が行きます。先に共用部を見て、次に水まわりを見ると、落ち着いて確かめられます。浴室の天井や洗面台の下に点検口があれば、開けてもよいか担当者に聞いてみてください。配管の素材や新しさが、ある程度分かります。
- 水を出したとき、流したときに異音や流れの悪さがないか
- 洗面台の下や収納の奥に、水のしみやカビのにおいがないか
- 床を歩いてきしみや沈み、傾きを感じないか
- ドアや収納の扉が、引っかからずに閉まるか
- 窓まわりに結露の跡がないか、サッシが重くないか
- 分電盤の容量で、使いたい家電を同時に使えそうか
工事の範囲と保証は、資料で確かめる
見えない部分は、資料で確かめるのが確実です。気になる部屋があれば、次のようなものを担当者にお願いしてみてください。
| 確かめたいこと | 見る資料・聞くこと |
|---|---|
| どこまで工事したか | 工事の内容を項目ごとに書いた一覧。配管は「交換」か「一部のみ」か「そのまま」か |
| いつ工事したか | 工事の完了時期。完成から時間がたっていれば、その間の状態も聞く |
| 床の工事が規約に合っているか | 管理規約の床材の決まりと、管理組合へのリフォームの届出 |
| 建物全体の管理 | 重要事項調査報告書、長期修繕計画、修繕積立金の残高 |
| 引渡し後の保証 | 契約不適合責任の期間、設備の保証やアフターサービスの内容 |
リノベーション済みのマンションは、不動産会社が売主になっていることが多くあります。この場合、宅地建物取引業法により、売主は引渡しから2年以上の期間、契約内容に合わない不具合(契約不適合)に責任を負うことになります(2026年10月時点)。ただし、設備ごとの保証やアフターサービスの中身は会社によって違うので、書面でもらっておくと安心です。
部屋の中がどれだけきれいでも、建物全体の管理は買ったあとに自分ひとりでは変えられません。管理の状態の確かめ方は、こちらの記事で詳しく説明しています。

中古マンション選びのご相談
当社では、自社で販売するリノベーション済みの部屋について、工事の範囲を書面でお渡ししています。ほかの会社が販売している部屋でも、資料の読み方や内覧で気になった点のご相談をお受けします。直す側の目線で、気になる点を率直にお伝えします。

